4 PIN RESISTANCE ANALYSIS
4つのピンを、
「刺す・抜く」で比較。
天然ゴムへ5mm刺して抜く試験から、ニードルピン、スーパーニードルピン、匠ニードルピン、二段平行ピンの抵抗の違いを考察しました。
POINT
「刺すときの抵抗」と「抜くときの抵抗」は、同じではありません。
二段平行ピンは刺すときの抵抗が最も大きい一方、抜くときの抵抗は最も小さい結果でした。
01 / FOUR CHARACTERISTICS
4種類のピン、それぞれの特徴
総合的な低ロス
ニードルピン

ピンが刺さってから抜けるまでに失われるエネルギーが最小。刺すときの抵抗も比較的小さく、4種類の中で最も低ロスな抜き差しを示しました。
- 98.23mJ|刺さってから抜けるまでのエネルギーロス
- 67.60N|刺すときの最大荷重
- 1.709mJ|抜くときの抵抗エネルギー
刺さる瞬間が軽い
スーパーニードルピン

刺すときの最大荷重と、刺すために必要なエネルギーが4種類で最小。刺さってから抜けるまでのロスは、ニードルピンと約1%差でほぼ同等です。
- 99.23mJ|刺さってから抜けるまでのエネルギーロス
- 63.97N|刺すときの最大荷重
- 2.056mJ|抜くときの抵抗エネルギー
中間のバランス型
匠ニードルピン

刺すときの抵抗と、刺さってから抜けるまでのロスは、ニードル系2種類と二段平行ピンの中間。抜くときの抵抗は比較的小さく、適度な接地感と抜けやすさが表れています。
- 147.06mJ|刺さってから抜けるまでのエネルギーロス
- 85.20N|刺すときの最大荷重
- 1.218mJ|抜くときの抵抗エネルギー
刺す抵抗は大・抜く抵抗は小
二段平行ピン

刺すときの最大荷重、必要なエネルギー、刺さってから抜けるまでのロスが最大。一方、抜くときの抵抗は最小で、刺すときと抜くときの差が最も大きいピンです。
- 220.61mJ|刺さってから抜けるまでのエネルギーロス
- 154.50N|刺すときの最大荷重
- 0.625mJ|抜くときの抵抗エネルギー
02 / MEASUREMENT DATA
ヒステリシス曲線と平均測定値
4種類の平均ヒステリシス曲線

ヒステリシスグラフの見方
- 横軸:ピンが動いた距離(mm)
- 縦軸:ピンに加わった荷重(N)
- 上側の曲線:ピンを刺すとき
- 下側の曲線:ピンを抜くとき
刺すときと抜くときの曲線で囲まれた部分が、「ヒステリシス面積」です。これは、ピンがタータンに刺さってから抜けるまでの一連の動きで、元に戻らなかったエネルギーを表します。
同じ測定条件では、囲まれた面積が小さいほど、刺さってから抜けるまでのエネルギーロスが小さいと考えられます。なお、今回の試験ではタータンの代わりに天然ゴムを使用しています。
グラフから分かる4つの違い
- ニードルピン:囲まれた面積が最も小さく、刺さってから抜けるまでのエネルギーロスが最小。
- スーパーニードルピン:ニードルピンとの差は約1%で、ほぼ同等の低ロス。
- 匠ニードルピン:ニードル系2種類と二段平行ピンの中間に位置する。
- 二段平行ピン:荷重と囲まれた面積が最も大きく、刺すときの抵抗と、刺さってから抜けるまでのロスが大きい。
総合的な低ロスではニードルピンとスーパーニードルピンが優位であり、特にニードルピンは4種類の中で最小の結果でした。
4種類の平均測定値
表は横にスクロールすると、すべての項目を確認できます。
◎ 最小:抵抗やエネルギーロスが最も小さい項目 ◎ 最大:反発が最も大きい項目 ○ ほぼ同等:最小値との差がわずかな項目
| ピン | 刺すために必要な エネルギー | 刺すときの 最大荷重 | 反発エネルギー | 抜くときの 抵抗エネルギー | 刺さってから抜けるまでの エネルギーロス |
|---|---|---|---|---|---|
| ニードルピン | 129.69mJ | 67.60N | 33.17mJ | 1.709mJ | 98.23mJ◎ 最小 |
| スーパーニードルピン | 127.23mJ◎ 最小 | 63.97N◎ 最小 | 30.05mJ | 2.056mJ | 99.23mJ○ ほぼ同等 |
| 匠ニードルピン | 190.88mJ | 85.20N | 45.04mJ | 1.218mJ | 147.06mJ |
| 二段平行ピン | 331.62mJ | 154.50N | 111.63mJ◎ 最大 | 0.625mJ◎ 最小 | 220.61mJ |
※刺すために必要なエネルギー、最大荷重、抜くときの抵抗、刺さってから抜けるまでのエネルギーロスは、数値が小さいほど抵抗が少ないと評価しています。反発エネルギーは数値が大きいほど反発が強いことを示し、必ずしも「大きいほど優れている」という意味ではありません。
03 / INTERPRETATION
測定結果から考えられること
ニードル系2種類は低ロス型
ニードルピンとスーパーニードルピンは、刺さってから抜けるまでのエネルギーロスがほぼ同等です。総合的な抜き差しの軽さでは、両者が優位な傾向を示しました。
匠は中間のバランス型
刺すときの抵抗と、刺さってから抜けるまでのロスは、ニードル系2種類と二段平行ピンの中間です。抜くときは比較的スムーズな傾向が見られます。
特徴から考える、おすすめの使用場面
総合おすすめ
ニードルピン
抜き差し全体の抵抗を抑えたい場面に。
- 練習から大会まで幅広く使いたい
- 接地から離地までの流れを軽くしたい
- 繰り返す接地で余分な抵抗を抑えたい
- ピン選びで迷ったときの第一候補
4種類の中で、刺さってから抜けるまでのエネルギーロスが最小。種目を問わず選びやすい、最も基本となるピンです。
スピード重視
スーパーニードルピン
刺さる瞬間の抵抗を小さくしたい場面に。
- 短距離など素早い接地を重視したい
- 加速時の接地をスムーズにしたい
- ニードルピンの低ロスを保ちたい
- 大会用として鋭い接地感を求めたい
刺すときの最大荷重と必要なエネルギーが最小。スピードを意識した走りにおすすめです。
バランス型
匠ニードルピン
適度な抵抗感と抜けやすさを両立したい場面に。
- ニードルよりしっかりした接地感が欲しい
- 二段平行ほど大きな抵抗は必要ない
- 接地感と抜けやすさを両立したい
ニードル系と二段平行ピンの中間に位置する、接地感を残したバランス型です。
用途限定
二段平行ピン
強い接地感や、ニードルピンを使えない場面に。
- ニードルピンが禁止されている競技場
- 地面を強く押すような接地感が欲しい
- 刺すときの大きな反発を重視したい
刺すときの抵抗と反発が大きいため、使用条件や好みが明確な場合の選択肢です。
SPIKES RECOMMENDATION
迷ったらニードルピン。スピードを重視ならスーパーニードルピン。
今回の測定では、ニードルピンとスーパーニードルピンは、他の2種類より、ピンが刺さってから抜けるまでのエネルギーロスが小さい結果でした。幅広い場面で使いやすいのはニードルピン、刺さる瞬間の軽さを重視するならスーパーニードルピンがおすすめです。匠ニードルピンと二段平行ピンは、接地感や競技場の規則など、明確な目的に合わせて選ぶピンと考えられます。
※測定条件:株式会社イマダ製ZTA-200N、送り速度6mm/s、深さ5mm、天然ゴム、各ピン3回測定。数値は今回の条件における平均値です。本測定だけで走行性能や競技場への損傷を断定するものではありません。
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