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ニードルピンが外せない Part.17

目次

Nike ドラゴンフライ2のニードルピンが外せない。

下記の写真が添付されて、取り外し依頼がありました。

依頼内容

「NIKEドラゴンフライ2の付属のアルミピンが1本取り外せなくなってしまいました。貴社のニードルピン取り外しに関するブログ記事を拝見させていただき、クレ556の使用などで試みてはいます。取り外しを依頼することは可能でしょうか。11/23にレースで使用予定があります、スケジュール的に可能かも含めてご相談させていただけますと幸いです。よろしくお願いします。」

納期は当社、到着後2週間程度で返送できることを連絡したところ、下記の返信がありました。

「お世話になります。ご返信ありがとうございます。修理をお願いしたく、本日最後にと思ってピンを回したところ折って状況を悪くしてしまいました。すみません。それでも変わらず修理依頼は可能でしょうか。写真を添付します。どうかご確認のほどよろしくお願いします。」

写真確認すると最初はピンが残ってましたが、最後に行なったときに折れてしまったようです。色と簡単に折れたとのことなので、材質はアルミ製と判断し、ドリル加工とエクストラクターでの外れると考え、修理を受けることにしました。

最初の依頼時の状況
返信後の状況

スパイクが当社に到着後、状態を確認したところ、ピンの種類はアルミ製であると思われましたので、作業内容は予定通り、ドリル加工とエクストラクターでの取り外しと決定しました。先ず、ピン部に潤滑剤を塗っておき、その後、ドリル加工をするためにピンを平らにヤスリで加工してました。私が使っているヤスリは、40年程度前に中学校の工作で購入したヤスリです。錆は出ていますがこのヤスリが、早く綺麗に削れるので重宝してます。

ヤスリで加工中
加工後、平らになりました

【⚠注意】アルミ製ピンなら加工は可能ですが、鉄製ピンは別物です。強度が高く、ドリルでの穴あけは極めて困難。当社でも実際にアシックス製の鉄ピンで加工を断念し、取り外しに大変苦労した事例があります。無理な作業はかえってリスクを高めるため、状況に応じて臨機応変に作業を変えていきます。

ヤスリで平らにした後は、ドリル加工になります。ドリルで加工してエクストラクターを取り付けていきます。

ドリル加工中
エクストラクターを取付

エクストラクターをしっかりと食い込ませて取り外しを試みましたが、ネジが非常に固く、回りませんでした。
何度か取り外しを試みて回しましたが、そのたびに空回りしてしまいました。そこで、ドリル加工を数回行い、ネジ穴を少しずつ深くしていきました。
それでも回らなかったため、最終的にピンの袴部を削り、ネジ部のテンションを下げる対応を取りました。
袴部を削る作業はスパイク底部を傷つけるおそれがあるため、本来は避けたい処置ですが、今回はどうしても外れなかったため、やむを得ず削ることにしました。削ることでテンションが下がり、やっと取り外すことができました。

袴部を削っているところ
取れたピン

ピンが取れたらお掃除に入ります。まずは作業中に出た細かな切子をしっかり払い落とし、その後でネジ部の状態を丁寧にチェック。今回、取り外した箇所のネジが少し痛んでいたため、タップで軽くネジを再生しました。

清掃後のスパイク

余談

取り外しの報告をしたところ、下記の返信がきました。
「お世話になります。ピンの取り外しありがとうございます!とても嬉しいです。底部の傷、確認しました。問題ございません。本当に本当にありがとうございました。それでは、到着を楽しみにしております。よろしくお願いします。」大変喜んで頂けたと思います。


今後も、取り外しが困難なピンがありましたら、引き続き対応させていただきます。ご連絡をお待ちしております。
次の修理依頼もピンの折損とのこと、最近は折れたピンの取り外し依頼が増えております。
アルミ製のピンは摩耗が早いため、定期的な交換をおすすめいたします。また、アルミは素材が柔らかく、過度な力をかけると変形しながら回ってしまうことがあります。
ピンを取り付ける際は、適度な力で締め付けていただくようお願いいたします。

ニードルピンが取れない場合は

なかなか取れないピンを外す場合は、下記を参照ください。それでも取れない場合は、お問い合わせからご連絡いただければ、スパイクの状態を聞いて取り外しの可能性をご連絡させて頂き、当社で取り外し作業を行うことも可能です。

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