ASICSのアディゼロ アバンチのニードルピンが取れない
下記の写真が添付されて、取り外し依頼がありました。
依頼内容
ニードルではなく平行ピンが外れませんが送らせていただいて大丈夫でしょうか?お客様のほうで行った作業を確認したところ、「556をスプレーして、ねじザウルスを使いましたが、上手くつかめず回せませんでした。叩いたり、冷やしたりはしておりません。」とのこと。写真を見ると2段平行ピンがかなり、摩耗しているようです。これは取り外しに苦労するかもしれないと頭を過りました

注記.
当社では当社製のニードルピンだけでなく、陸上競技に使われるピンであれば、どのピンでも取り外し作業はお受けします。ご気軽にお問い合わせください。
当社に到着後、潤滑剤を吹き付けてネジザウルスで回してみましたが、直ぐに空回りしてしまいます。この場合は、ピンのピン回しの掛かり部分をヤスリで平らにしてから、回す必要があると判断してヤスリで平らにして、回してみましたが、非常に硬く回りませんでした。

このパターンは浸透性の良い潤滑剤を吹き付けて、数日後に作業を行うことが良いと思い、潤滑剤を吹き付けて作業を中断しました。
数日後、作業を開始しましたが、なかなか取れません。何回かピン回しの掛かり部分を平らにしては回してみることを行いましたが、段々ピンも細くなってきて、下手するとピンが折れてしまう可能性が出てきました。過去にピンを折ってしまい、取り外しに苦労した経験からこれ以上、削るのは難しいと判断しました。
そのため、過去にアドバイスを頂いた方法を試してみることにしました。その方法はピンの袴部を切って、スパイクとの抵抗を減らす作業となります。袴部を切ることが今、保有している工具では難しかったためヤスリで袴部を削っていきました。注意しながら削ってましたが、どうしてもスパイクの部分も傷がついてしまいますが、外すためには作業を進めました。

袴部をある程度、削った後に引っ掛かりが良いペンチで回したところ、どうにか取れました。取れた後にピンを確認すると、ずいぶん削っていたので下手すると折れていた可能性があったかもとヒヤヒヤしました。


ピンが取れた後は、少しネジ部が痛んでいたのでタップ加工をして、ネジ部のメンテナンスを実施しました。

余談
お客様に今回の作業内容を報告したところ「ありがとうございます。 傷の件承知いたしました。取れただけでも十分です。」のお言葉を頂きましたが、傷をつけてしまい申し訳なく思いました。今後、より一層の技術力を高めピンの取り外しをおこなっていきたいと思います。
ニードルピンが取れない場合は
なかなか取れないピンを外す場合は、下記を参照ください。それでも取れない場合は、お問い合わせからご連絡いただければ、スパイクの状態を聞いて取り外しの可能性をご連絡させて頂き、当社で取り外し作業を行うことも可能です。
